エンハーツによる治療を受ける
乳がんの患者さんとご家族へ
エンハーツについて

作用のしくみ

作用のしくみ

エンハーツは、抗体薬物複合体こうたいやくぶつふくごうたいと呼ばれます。
主に抗体(抗HER2抗体)と化学療法剤の2つの部分から成ります。
HER2タンパクをもっているがん細胞に抗体の部分が結合して、がん細胞に化学療法剤を送り込みます。

エンハーツの構造

エンハーツのはたらきかた(イメージ)

エンハーツはがん細胞表面のHER2タンパクに結合して、がん細胞の小器官内に取り込まれます。

エンハーツのはたらきかた(イメージ)

エンハーツはがん細胞の小器官内で抗体部分から化学療法剤部分が切断され、抗体から遊離した化学療法剤ががん細胞を攻撃します。

エンハーツのはたらきかた(イメージ)

また、遊離した化学療法剤が周りのがん細胞にも作用する効果が期待されています。

エンハーツのはたらきかた(イメージ)
抗体とは?
体内に侵入した細菌やウイルスなどの異物(抗原)から体を守るために「抗体」がつくられます。このしくみを人工的に利用した薬が「抗体薬」です。
化学療法剤とは?
細胞障害性抗がん薬とも呼ばれ、細胞の増殖のしくみに着目して、そのしくみの一部を邪魔することでがん細胞を攻撃する薬です。がん以外の正常に増殖している細胞も影響を受けます。
細胞内小器官とは?
細胞内にある、さまざまな機能をもつ構造体を「細胞内小器官」といいます。
細胞内小器官の1つである「リソゾーム」の出す分解酵素によって、エンハーツの抗体部分から、化学療法剤が切断されます。
監修:岩田 広治 先生 名古屋市立大学大学院医学研究科 共同研究教育センター 臨床研究戦略部 特任教授